禍の元凶、新聞記者の「二十四時間四万回の奇跡」

珍しいベルギー映画というものを暇にあかせて見た。
題名が「二十四時間四万回の奇跡」という邦題が付いたもので
あるが、これがまったく映画の内容とはチグハグなもので、配給
会社のやっつけ仕事ぶりが伺われる。
ただそら恐ろしく退屈な映画だったが、主人公の新聞記者の今で
いう「空気読めない」KYぶりに焦点をあてると・・・。


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この映画のキャッチ・コピーは、「ドア開閉世界最高記録、切ないほど
滑稽な記録に挑んだ人たちがいた」となっていて、てっきりギネス記録
に挑むアスリートの苦労物語ってな内容を想像したものだが、これが
全くといっていい、アスリートのかけらもなく、車欲しさの独善的人間の
究極みたいな父親に翻弄される家族の物語、そしてその父親が新聞
記者という設定で、事件・事故等を平等に扱うジャーナリズムと相容れ
ない「空気の全く読めない」人物が巻き起こす騒動・・・。

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画像にある「二〇〇〇年」で分かるように、九十九年の物語らしいのだ
が、そこはまるで遡ること百年前の世界で、家長制度が激しい時代を
彷彿とさせ、父親の権威に逆らえない家族は終始振り回されぱっなし
で、コピーのドアの開閉へと、これも新聞の広告に「世界記録樹立で
車をプレゼント」に父親が色めき立ち、簡単に達成できそうなドアの
開閉に挑む、で、ここから流石に見ているこちらはイライラが募り始め
る。何しろ言い出しっぺの父親は端から自分での記録挑戦でなく、息子
にやらせる算段である。
当然の如く、息子は拒否、するとこの父親、火病でも患っているのか、
恐ろしい剣幕で当り散らし「車をどうするのだ!」で、息子に渋々承諾させ
ここからまた常軌を逸して行くのだが、なんと自分で練習を見てやるでな
く、コーチを雇ってしまう。「金をかけたのだから、達成出来る」と相成り
本番を迎えるのだが、幾らなんでも二十四時間、単調なドアの開閉を
続けていけば、肉体にも精神に変調をきたす。
息子がそのことを訴える度、我慢を重ねさせるで、とうとう息子は精神錯
乱して、賞品の車を乗り回して樹木に激突して病院送りの重症患者と相
成ってしまう。
ここらでこちとら、「はぁっ」と溜息をつくのだが、精神構造の全く違う新聞
記者は、禍が自分にあるを自覚する精神が欠落しているから、今度は娘
の誕生日を祝う席で、無線から流れる報道に色めき立ち、それを「またか」
の顔をする母子に、ここでも火病で折角のバースディ・ケーキなのに破壊
してしまう。
で、普通の感覚なら、これで家庭崩壊へと進むのが息子の意識が戻り、
その恋人が身篭り、それで新年が明けて、画像の記念撮影でめでたくも
映画は終了と相成って、はて?、この映画は一体、なんだ?の疑問がこちと
らに付いて回る結果となってくる。
見終わってから、ネットでこの映画の評はどうだろうと検索をかけた。
案の定、一人だけがヒット、だがどう見ても販売会社の息が掛かった寸評
としか思われないもの。少し感動ってどこに?、火病の親父の空気の読め
なさは分かるし、隷属したような家族の姿は分かるし、隣人の精神薄弱児
の鳩飛ばしの優しさは分かるのだが・・・。
まぁ、ここで「空気読めない」と使っているのは、感受性豊かな家族とは、
相容れない感受性のかけらもない父親という意味であり、その場の雰囲気
などではない。
何しろ新聞記者でありながら、隣人の薄弱児に対して尊大に構え、大人し
い感受性豊かな人間に対して、ゲスな言葉を吐きかけて省みないのに、
この隣人は大切な鳩を売って、借金の申し出に応えようとしている。
ようするに周囲の人間は、この男を理解しているが、この男は周りが全く
見えていない。
で、導き出されるこの映画の内容は、感性のない新聞記者像・・・。
もっといえば新聞記者の家庭での有様は、とても報道に携わる資格の
なさの表明、こんなのが記事を書くのかである。
これじゃ、映画評もへったくれもない。自分が批判される映画を記事する
ってのは勇気がいりそうだ。
ベルギー映画なぞ縁がなかったが、暗いモノクロという手法も、この映画の
救いのなさには合っていた。
でこの主役が、何とも変に魅力的ではある。
前作「ありふれた事件」てのがあるらしく、こちらは正視に耐えない残酷場面
のオンパレードらしいが、見てみる気にはならない。
いずれにしろ、時間の無駄だったと思うが、新聞記者の中にこういった人物
がいれば、新聞記事も独善的で偏向したものになっても、理解出来るかも
知れない。性格破綻者が記事を書き、ヤクザがそれを売り、鼠の購読者は
鵜呑みにする。
なんか日本の新聞制度を、遠いベルギーが批判しているような・・・。
てな、感想で落ち着かせると、胸がすっとしてきた。ではでは・・・。



      この主人公が出ている映画は、こんなものしかなかった。
      最後までお読みいただき、 「ありがとうございます」



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